安倍総理辞任のスクープ
冒頭にある
「総理は今日これから辞任する。用意してある速報字幕を今すぐ打ってください」
『大丈夫か?誤報だったら社長の首が飛ぶぞ?裏は取れているのか?』
という緊迫した舞台裏が描かれている箇所。
事実として各局が掴んでいない中、著者の山口さんが麻生さん経由で掴んだ辞任確定のニュースをTBSが全マスコミに先駆けて発表したんだとか。このあたりのハラハラ感は小説を読んでいるような感覚でした。
霞が関の論理 vs 菅義偉
この話、外から見ていると別になんとも思わないものの、本書ではそれをする難しさがしっかり書かれています。霞が関からすると許されない人事ですが、菅さんは「アルジェリアの日本人人質事件の時に優秀な働きを見せてくれた」ということでその方に目をつけていたんだとか。
結果的にこの件を通して『菅さんを敵に回すと面倒というイメージがついた』『現場の士気が上がった』という結果に終わったという話。以下の動画を見た時も思いましたが、菅さんはかっちょいい。
その他の印象深い話
- 安倍さんの再選が達成された舞台裏
- 消費税を上げたい麻生さんと上げたくない安倍さんの攻防
- アサド政権非難を求めるアメリカ vs 安倍/麻生
終わりに
本書は 宰相とはどんな仕事か/安倍晋三とはどんな人物か に着目を当てていましたが、やはり今も健在な「麻生さん」と「菅さん」のエピソードが印象的。政治の世界は色んな思惑が渦巻くややこしい人間関係なんだな~と思いつつ、どこの政党でも上に立つ人にはそれなりに応援される人柄があることを感じさせてもらえる一冊でした。