はじめに
先日の元首相である安倍さん襲撃を受け、「拳銃の科学」という書籍を読んでみました。
以下はその中で気になった箇所と感想です。
印象的な部分
まずは拳銃の構造の話。
薬莢の中には弾丸と発射薬が入っていて、衝撃を与えると爆発する起爆剤が端っこについています。よって引き金を引くと起爆剤が発射薬を爆発させて弾丸が飛んでいく・・というイメージ。これら全体をカートリッジと言います。
ここで興味深い観点に「カートリッジを落としてしまったりすると危ないのか?」という問い。
この答えは「No」で、基本的に落下衝撃程度では起爆剤は反応しない&そもそも形的に弾丸側が床にぶつかる&もし起爆剤が反応しても銃身の中ではないのですぐに弾丸が抜けてしまう模様。
続いて興味深いのが銃弾の話で、フルメタルジャケットタイプとソフトポイントタイプがあり、後者は変形することで傷口が大きくなる模様。そして、そういう背景もあって戦争では「フルメタルジャケット」を利用することが国際法では規定されているんだとか。
思ったこと
二つ目に記載した「軍用弾は傷口が大きくならないものを使う必要がある」という部分は個人的にはびっくり。
よく化学兵器や生物兵器は国際法でNG・・という話は聞いたことありましたが、銃弾でもそのような規約があるんですね。
ちなみにそういった変形して相手により重症を追わせてしまう銃弾を”ダムダム弾”と言うことも合わせて覚えておきます。
19世紀にイギリスがインドの内乱鎮圧のため、カルカッタ(現コルカタ)北部にある工業都市ダムダムの兵器工場でつくらせたので、この名が生まれた。この弾丸を軍用として人体に使用した場合、弾芯がつぶれたり鉛片が体内に飛び散り射入後の傷を大きく、かつ複雑にして死亡率を高めたり回復を遅くする。このため非人道的兵器であるという理由で、1907年のハーグ会議で使用禁止が決定されたが、イギリス、アメリカ両国はこれを批准しなかった。
終わりに
「初速500m/sで約5km先まで届く」「拳銃の薬莢は30mm&ライフルは70mm」といった科学的な知識も知れ、個人的には大満足で。同書の冒頭に”銃の知識は国際人として必須の知識”と力説していたのには同意しかねますが、知っていて損はない知識だとは思いました。