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【進化する銀行システム】口座を開設した支店じゃないとお金を下ろせなかったという衝撃


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Kくん

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はじめに

「すべての銀行系システムエンジニアが持っていきたい視野と知見」として紹介される本書。

仕事柄、金融機関のシステム構築をすることがあるので気になって読んでみると平成生まれの私には衝撃的な話がいくつかあり。それを紹介してみます。

銀行昔話

銀行のシステムは勘定系(銀行のメイン業務担当)・情報系(銀行の付加価値向上担当)に分類され、「勘定系」と聞くと「メインフレーム」といった大型コンピュータをさすことはエンジニアの共通認識。

が、「勘定」というのはそもそも「預金勘定元帳(取引の記録をしている台帳)」から来ていることは知りませんでした。歴史的には、XX銀行のOO支店で口座を作ると「預金通帳」が発行され、それの写しのような「預金勘定元帳」を銀行が持っている。なので預金や引き出しをいくためには、口座を開設した支店に行かないとダメという過去がありました。

この「同じ銀行でも支店が異なるとお金の出し入れができない」という背景もあって、当時は都市銀行よりも家の近くにある地方銀行の方が利用者にとって便利だったんだとか。

普通預金のオンライン化

そんな中、銀行の支店をオンラインでつないでせめて「同じ銀行なら全店からお金引き出せるようにしようよ」というのを成し遂げたのが、1965年の「三井銀行」。そのシステムに五輪の競技データ集計で利用した機器をそのまま利用したというエピソードもまたおもしろく、これらの変化を「第一次オンライン」と呼ぶようです。

そして、第一次という言葉がある通り、「普通預金と定期預金の連動などができていないので待ち時間は長い」という課題を解決すべく、CIF(シフ)と呼ばれる総合オンラインシステムに組み直す動きが「第二次オンライン」、これを最初に実現したのが1974年の「富士銀行」。ATMの前身であるCD(出金専用)やAD(入金専用)もこのあたりで市場に投入されて今に繋がってきます。

最後に「第三次オンライン」として取引時間延長や海外との取引に向けたさらにシステムを大幅更改したのが1980年代。

思ったこと

今や振り込みしたければスマホでポチポチ、現金が欲しければコンビニでさくっとできますが、一昔前は指定の場所に行かないとこれらができなかったんですね。

だからこそ、これができるようになった!こんなに便利になった!というシステム化に対する羨望が当時はあり、金融機関はIT業界に取っての上顧客だったんだろうな~と思ったり。逆に今って銀行に期待することって「手数料の安さ」「メンテナンス時間の短さ」「スマホアプリの使いやすさ」くらいですもんね...。そら実店舗もたないところが強いはずだわ。

今回は本書の第一部のみを紹介しましたが

残りのパート含めて興味深いのでエンジニアの方はぜひ、オススメです。