思垢メモ
経験したこと、感じたこと





WBC台湾戦に見た鳥谷選手の決断力


阪神-鳥谷選手

鳥谷選手の去就が注目を集めています。

球団から引退勧告を受けた阪神鳥谷敬内野手(38)が、巨人戦(甲子園)の試合前に、今季限りで退団することを明らかにした。現役続行の意志が強く、今後は移籍先を探す見通しだ。

学生の頃は阪神ファンだったこともあり、鳥谷選手も応援していました。
阪神を去って他チームでプレーすることは少し残念ですが、一ファンとして応援していきたいです。

ただ、私が鳥谷選手のファンなのは、シュッとした身なりからでも、走攻守揃った選手である点でも、生え抜き選手だからでもなく、WBC台湾戦の例のシーンにあります。

緊迫したあのシーン

場面は9回表2アウト、日本の攻撃。点数は2-3で台湾リード。
一塁には鳥谷がいて、バッターボックスには井端です。

井端がアウトになればゲームセット、日本はWBC敗退。

そんな中、なんと鳥谷が盗塁を決めます。間一髪のセーフ。

ランナーがスタートしている、鳥谷がスタートしているーー!

という実況アナウンサーの絶叫もまさにその通りで「スタートしている」なんですよね。
「なんでスタートしているの?」といったニュアンスもある「している」、本当に間一髪で、審判がセーフを出すまでは同じく実況席のメンバーを固唾をのんで見守っていました。動画も色々と転がっているので改めて見直したい方は調べてみてください。


で。あの場面。

井端が三振に倒れたところで、誰も井端を責めません。

あ~、惜しかったね、いい試合だったね、ちゃんちゃん で終わります。

野球というのは3回に1回ヒットを打てば褒められる商売で、もちろんここぞという場面で決めると勇者であるのに変わりませんが、そこは時の運、そういうものです。

ところがどっこい、あの場面で盗塁死しようものなら、世紀の判断ミスとしてネットは大荒れになっていたと思います。こんな後味の悪い負け方があるか、お前は一体何を考えているのだ、と。

結局は、鳥谷が盗塁を成功させ、井端はタイムリーヒットを放ち、同点に追いつきます。本当に 事実は小説より奇なり、な展開でした。

For Team

そこで思うこととして、
人間、だれしも打算的に動きます。

成功率が30%で、成功すれば5褒められ、失敗すれば2怒られるのであれば期待値を計算して

0.3x5 - 0.7x2 > 0

挑戦するものです。
他人から「30%の確率なのによくチャレンジしたね!」と言われても、本人からすれば打算的に動いた結果だったりすることもあります。


が、今回の鳥谷の盗塁は成功率が80%としても、成功すれば50褒められ、失敗すれば1000怒られる場面、期待値は圧倒的マイナス、AIであれば有無を言わさず静観します。

そんな中で、個人の名誉ではなくチームの勝率を挙げるために鳥谷選手は盗塁を決断しました。

当時を振り返ったインタビューでは

腹を括って行こう、と思った

と語った鳥谷選手。

鳥谷さん、あの盗塁、あの決断力、本当に見事で勇気を貰いました。
新天地での活躍を、この遠い遠いはてなブログの片隅から応援しています。